ファスティングは日本語にすると「断食」です。
ファスティングは４０００年以上前から行われており、昔から精神と体の浄化と鍛錬のためや、宗教的な儀式でおこなわれてきました。ファスティングには身体の眠っている能力を呼び覚まし蘇らせる働きがあり、人間がより健康で幸せに生きるための自然の摂理に基づいた健康法です。
ファスティングは、ただ単に食べ物を食べずに痩せるという効果があるだけではありません。人間の体は食べ物を食べずに消化吸収することがない状態に入ると、自然に身体に溜った毒素を排泄する働きがあります。毒素を排泄し体内を浄化することにファスティングの最も大事な役割があります。
ヨーロッパや中東には古くからファスティングの習慣があり、「ファスティングで治せない病気は医者も治せない」「ファスティンによる心身の清めが生まれ変わり」と言われ生活の一部になっているほど、ファスティングは私達を健康生活へと導いてくれます。
私達は誰もが、毎日を元気に明るく過ごしたいと願っています。しかし、私達を取り巻く環境は昔と大幅に変わりました。食品添加物・環境汚染・化学合成物質が日常生活に溢れ、農薬やホルモン剤等の使用により野菜や果物、肉魚は本来の栄養的要素を失い、人体・地球に悪影響を与えています。それに加えて、現代の凄まじい情報社会に生きる私達は、これまでにないストレス社会で生活をしており、徐々に身体機能の劣化が早まっているのが実状なのです。このような状況の中で私達現代人は、人間が生物として、自然の摂理に基づく生活を行い、自然治癒力を高め、本来の強さ、美しさ、たくましさを取り戻すべく生活習慣をつくることが、今、最も大事なのです。
「ついつい食べてしまう」「食べ過ぎてしまう」「わーおいしそ～」
人間の生理的な欲求である食欲は正面から制圧しようとすればするほど、その力は強大になり、なかなかコントロールできませんよね。「食べたいのをガマンする！」ことは難しいことだと、多くの方が経験済みでしょう。
「寝食を忘れて没頭する」という表現をご存知かと思います。何かに情熱を注いでいるとき、人は生きるための根本的な欲求すら忘れてしまうことの例えです。
心理学者のマズローによると、人間は十分に食べることができないときは、まず何はともあれ食べることが最優先され、ある程度食欲が満たされた状態になると、次に「より高次の欲求」を追求するようになるといいます。
しかしながら、一端そのような高次の欲求を追求する状況になると、今度は多少食欲などの生理的欲求が満たされなくても耐えることができるようになり、コントロールできるようになると。
つまり、高次の欲求の追求が、結果的に低次の欲求である食欲を抑える一つの方法といわれています。結果的にファスティングすることで、食欲のコントロールができるようになります。
現在の食生活において、食べたいという欲求はお腹ではなく、視覚から脳への指令によって起こることがほとんどで、空腹になって食事をするということが少なくなっています。
ファスティングは、この脳の習慣の改善「脳のリセット」が大きな目的の一つです。
